● 春日原( かすがばる )地区はどこ?
●春日原の歴史
「続・筑前風土記」によれば、近世では夜須野原(朝倉郡)、曽根原(糸島郡)と並んで春日原は「筑前三大広野」の一つにあげられています。この地方をはじめ九州には古来から「原」の文字を「はら」でなく「ばる」と発音する地名群落が数多く存在します。なお、隣接する春日市役所の住所は原町(はらまち)です。
大正10年(1921年)、九州鉄道(現西日本鉄道)は、春日原の原野82,000坪を買収。同13年、福岡~久留米間に急行電車が開通して春日原駅が開業すると、ここに陸上競技場、テニスコート、野球場などの総合運動場を開設しました。 さらに、いちご園を開き、桜数千本を植え、龍神池(当時は23,000 ㎡)にボートを浮かべ、納涼花火大会を開催するなど、春日原の一大遊園地化を図りました。その後、野球場は高校野球のメッカとなり、多くの高校球児が春日原を訪れました。
昭和28年1月、町制施行とともに春日町(現春日市)は、土地区画整理事業をスタートさせました。この計画は、野球場を含むすべての施設および野球場後方にあった営林署の施設、さらに龍神池までも埋め立て一大住宅地を作りました。現在の春日原北町3,4,5丁目、春日原東町3,4丁目、春日原南町の一帯です。
●現在の春日原
春日原地区は、春日市の北東部に位置し広さは36ヘクタールです。北は福岡市、東は大野城市に隣接しています。 また東は、西鉄大牟田線春日原駅(天神まで急行で10分)、西はJR鹿児島本線春日駅(博多駅まで10分)の間に位置しています。更に、九州縦貫道太宰府インターまで10分、筑紫野インターまで15分、福岡空港まで車で約20分と非常に立地に恵まれています。
なお、域内に春日原小学校があり、校内に2級水準点(標高23.128m、北緯33度31分47秒、東経130度28分28秒、)の標識があります。
● まちの歴史
●龍神池
春日原地区の中央部にあるのが龍神池です。昔は、23,000㎡の広さで「今池」と呼ばれていましたが、今は、埋め立てて2,900㎡の広さしかありません。名前の由来は、「池の中に住んでいた龍が、稲妻に乗って天に昇り、雷神を伴って池に戻った」という言い伝えがあります。
●東慶院・豊川稲荷
大正時代に春日原地区は、総合運動公園建設などで大きく変わりま した。昭和8年、時の長老たちは、春日原地区の更なる発展を祈願して、千葉県佐倉町(現佐倉市)の曹洞宗東慶院と、愛知県の豊川稲荷の分霊を勧請しました。
その後の再開発で、広い参道と名物の桜並木は姿を消したが、境内は深い緑につつまれ、静かなたたずまいを見せています。